米、麦、豆などの穀物や米糠、小麦粉などの含水量の低い食品を加害する昆虫の総称。
乾麺やパン、焼き菓子などの加工品も加害する。工場内部でも繁殖が可能なため、多くの食品工場で注意が必要。
幼虫は食性が広く、穀粉、豆類(大豆)、ナッツ類などの植物質から、動物質を含めたほとんどの加工食品を加害する問題種であり、異物混入のトラブルも多い。穿孔能力が優れているため、包装資材に穴を開けて製品内へ侵入することもある。 また、発生している箇所には、幼虫による吐糸が見られる。
硬質の食物へ産卵する習性を持ち、米、麦などの穀物のほかに乾麺やビスケットなどの固形食品の害虫として問題となる。卵から孵化した幼虫は、蛹になるまでの期間を食物内部で過ごすため、成虫以外のステージは発見しにくい。
コクゾウムシに形態・生態が類似しており、穿孔能力が高く、幼虫・成虫ともにコメ、ムギ、トウモロコシなどの穀粒を食害する貯穀害虫として知られている。幼虫は穀粉では成育できない。海外のココクゾウムシは飛翔できるが日本のココクゾウムシは飛翔できない。
良く発達した大顎を持ち、米、麦を破壊的に加害するが、加工食品での被害は少ない。卵から孵化した幼虫は、成長に伴い穀粒の内部に潜入する習性を持つ。
麦や米その他のイネ科の雑草なども食害する。幼虫は麦粒中で越冬し、翌春に羽化する。孵化した幼虫は、穀粒に1 頭づつ食入し、内部を加害する。
幼虫・成虫ともに竹材を穿孔食害するが、竹材の糖分の多い部分のみを食害し、表皮や肉皮は食害しない。雑食性で、竹材のほか様々な材質のものを穿孔食害し、穀粉にも発生することがある。
極めて雑食性で、含水量6~15%のあらゆる乾燥食品を食害し、特にタバコの重要害虫であることから名付けられた。パン、ビスケット、コーヒー、ココア、豆類、乾麺、動物標本を食害する。食品の原料・加工工場のみならず、一般住宅でも普通に見られ、畳のワラ床などから発生し問題となる。
タバコシバンムシに生態が類似しており、極めて雑食性で、含水量6~15%のあらゆる乾燥食品を食害する。特に貯蔵穀物やパン、ビスケット、コ-ヒ-、ココア、豆類、乾麺、動物標本を食害するほか、各種の薬味や香辛料、薬草、乾果、シイタケ、ソバなどの害虫として重要視されている。
小麦粉などの穀粉をはじめ、菓子、パン類などの2 次加工品の害虫として知られており、日本においては主に精米工場に多く分布しているとされている。米や麦などで生育することはほとんどないが、密度が高くなれば、幼虫まで生育することがある。一般家庭では、ビスケット・チョコレートやインスタントラーメンから発見されることがある。また、コクヌストモドキは飛翔が可能である。
コクヌストモドキに生態・形態が類似しているが、飛翔は出来ない。完全な穀粒に対する加害能力や繁殖力はコクヌストモドキよりも高い。わが国では本種が主に製粉工場に多く分布しているといわれている。
食性が広く、貯蔵穀物、穀粉の他に菓子、乾燥果実等の加工食品などを加害する。齧る力が弱いことから健全な穀粒を加害することができず、メイガ類などの他の害虫に加害された後に生じる穀粉を餌とする。乾燥や低温に対する抵抗力が強く、冬でも温度が高ければ、休眠せずに活動する。
成虫・幼虫ともに穀粉、砕米およびその加工品などに発生する。穿孔能力は劣るが、扁平な体のため包装資材の縫い目、ピンホール、シール不良部分から製品へ侵入することがある。
成虫は花上で花蜜や花粉を食す。幼虫は野外では鳥の巣などで見られるが、屋内においては、動物性・植物性食品を広く加害する害虫として重要視されている。植物性の餌のみでは成虫まで成長することが出来ない。
成虫は花蜜などに多く集まる。花に誘引される要因に匂はあまり関係なく、色によって誘引されるため、干してある洗濯物にまぎれ込んで屋内にとり込まれることが往々ある。幼虫は衣類や昆虫標本などを加害する。また、コショウ、トウガラシ、各種生薬、殻類、種子などの植物質のみで生育を完了することが出来る点が特徴である。
重要な室内害虫で、穀類や貯蔵加工食品、動物標本などを加害する。多湿を好み、動植物やカビを食べるが、あまりカビの繁殖のひどい場所には生息しない。雌のみで繁殖し、雄は発見されていない。光に対して少しでも陰になるような場所で産卵を行う。
主に飛翔で移動し、工場内へ侵入する昆虫の総称。工場外部で主に発生し、光、熱、臭気など様々な要因によって工場の近くまで誘引され、扉の開閉時や扉・壁の隙間から工場内に侵入する。また、工場内部で繁殖が可能な種も含まれている。
成虫の形態は、蚊に似ているが、口器が退化しており、吸血はしない。幼虫は水中で生活して有機泥を食し、成長する。成虫は昼間、水際周辺の植物で休息しているが、夕方になると灯りのある方向に向かって多数群飛する。
成虫は翅も含めた体表に毛が密生している。浄化槽、汚泥のたまった下水溝、畜舎の排水溝など、有機物の多い汚れた水域に広く発生する。成虫は一般に夜間活動性で、飛翔力は弱い。
果実バエと呼ばれる複眼が赤い、小型のハエである。成虫は、樹液、腐果実、キノコ、ごみ溜などの発酵した腐植物質に集まり、これらに産卵する。また、成虫は走光性をもち、室内の灯火に誘引される。
成虫は敏捷に飛び、食卓や台所などの上を歩きまわる。幼虫は、腐敗した植物質、漬物、堆肥やごみ、便池などから発生する。昆虫、シロアリの巣、カタツムリなどに寄生するものも知られている。食品を食害する為、近年食品衛生害虫として重要視されている。
幼虫は、土中の腐植物、キノコ、植物の根、有機肥料などの植物質および動物質を食する雑食性で、これらの中で生育する。近年、施設栽培の普及などで、家屋内に侵入する不快害虫として注目されている
幼虫は湿った土や落葉、木材、キノコの中に群棲する。成虫は湿気の多いところ、薄暗いところ、腐った植物や樹木の周囲、コケを生ずる岩石下などに生息する。成虫は走光性があり、夜間、灯火に向かって多数飛来する。
多くは植食性で、イネ、野菜あるいは果樹などの農作物を加害するので農業害虫として知られるものが多い。また、成虫は灯火に飛来したり、越冬時に民家に侵入する種もあり、不快害虫とされることもある。幼虫、成虫ともに体から臭気を放出する。
病原菌やウィルスを媒介し、人に疾病を発症させる可能性がある昆虫の総称。駆除には、厚生労働大臣の承認を受けた医薬品・医薬部外品を使用する。
木造の日本家屋、コンクリ-ト造りのアパ-トなどの一般家庭でもよく見られる。夜間活動性で夜間に住処から餌や水を求めて活動する。熱や水分を好み、調理場などの餌もあり、水や熱源がある箇所に潜伏することが多い。
クロゴキブリより大型で前胸背板に淡黄色の輪がある。暖房設備の普及に伴い、地下街、集合住宅などにも広がっている。また、船舶内や排水溝内に群れをなしていることがある。休眠しないので、一定の熱源のない建物には定着できない。
都市部を中心として全国的に分布している。低温に弱く、無加温の場所では越冬できないため、暖房あるいは熱源のある場所で越冬する。オフィス、ビル、ホテル、飲食店、病院、新幹線、または、コンクリ-ト構造、断熱構造の建物に生息し、都市地域・市街地域で多く見られる。
衛生害虫として世界で最も普遍的なハエである。自然環境よりも、ヒトの密集している都市型の環境の方が生息密度も高い。成虫はミルクや果汁のような糖分を含む食物に好んで集まる。雌は幼虫の食物となる動物糞やごみの中の食物残渣に産卵する。
ビルの地下水槽、地下鉄の構内、地下街の水溜り、浄化槽などで発生し、都市化が進んだ所に多く生息している。低温に強い特徴を有しており、秋になっても休眠しないため、初冬に発生する吸血被害はチカイエカによるものとされている。
食品を加害、人に危害を与えることは少ないが、形状や集団を形成することから不快感を持たれている昆虫の総称。
体は簿毛で覆われ、腹面の毛は特に密で、繊細である。卵、幼虫、若虫を経て成虫になる。幼虫はセミ、アブラムシ、バッタ、カミキリムシ、ガ、アブ、ハバチ、クモ、ザトウムシなど多くの陸生の節足動物の体表面に寄生し、体液を吸って栄養を摂る。
壁や天井を自由に歩行することが可能なため、建物の二階や三階まで登ることがある。初夏から秋にかけて産卵し、卵は約1ヶ月で孵化する。6回脱皮を繰り返した後に成虫となり、越冬する。
畑や空き地などに堆積した枯葉や落葉が半腐熟し、湿っているところに群がり、これらの腐植質や菌類を食物とする。年2 回の繁殖期を持つ。
体は全体が丸みを帯びており、刺激を受けると体を折り曲げて球状になる特異な性質を持つ。食性は、植物性、腐植物性または、屍植物性で、幼虫は植物の新芽等の柔らかい部分を食べ、成虫は、キャベツ、キュウリ、トマト、ミミズ、昆虫の死骸等を食べる。
畑地、原野、林内などいろいろな場所で見られ、近年、都市の住宅地でも見られるようになった。越冬場所を求めて建物内の床下に潜入することがあり、春に越冬を終えた個体が野外へ脱出する際に目撃され、不快害虫として問題になることがある。
社会生活を営む昆虫類で、基本的には生殖虫である女王、オスおよび職アリ(働きアリ:♀)で構成される。種類によっては、毒針が発達しており、毒液をふりかける、毒液を出して刺すなどの害をもたらす。建物に、食物をもとめて侵入し、不快感を与えるだけでなく、食品を加害することがある。
落葉層、地中、石垣の隙間、木の洞穴に潜み、昆虫類を食す。ムカデ類は脚の多い動物の代表とされている。また、毒を有しており、防御のために人を咬むこともある。ムカデ類に咬まれると、激痛を伴うとされており、患部が腫れることもある。